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銀座モダンアート 妄想装画展IIを見に行ってきました

Update: 全ての参加作家の装画が揃いましたので、情報追加しました。

今週の銀座モダンアートは、「妄想装画展II」と題して、作家さんが自分の好きな文庫本の装画を描くという展示を行っています。

妄想装画展II

 

妄想装画展II 

奥野ビル

いつものように手動ドアのエレベーターを上って、6階の銀座モダンアートに行きました。

奥野ビル

今回は出展作家が非常に多く、写真家さんがマキエマキさん、真子さん、ろまんさんと3人、画家さんは全部で22人です。

 

今回の展示はギリギリのタイミングまで募集をしていたことと、原画に文字をレイアウト・デザインしてそれを印刷して装画にする関係上、初日の月曜日には装画が間に合わなかった画が1/3ぐらいありました。

森田悠介さん

森田悠介

森田さんは本職でポスターやフライヤーのデザインをされているので、仕上がった装画も非常に完成度の高い安定した出来上がりでした。作品はエドガー・アラン・ポーの黒猫です

吉森百子さん

吉森百子

吉森百子さんも自分でデザインを手がけています。作品は長谷川時雨の明治美人傅。明治~大正ロマン時期のモダン女子は吉森さんの十八番です。運命に翻弄される女性の持つ陰のある表情が素敵です。

草野水樹さん

草野水樹
草野水樹さんは2枚出しでしたが、印象の強かったこちらを紹介します。作品はマルキ・ド・サドのジェローム神父です。草野さんの描く美少女は純粋無垢で汚れを知らない感じがするのですが、その少女が倒錯の世界に入っていくのだと思うと、ドキドキしてしまいます。オリジナルの装画は会田誠さんでもっとそれっぽい感じなのですが、草野さんの描く何も知らない純粋無垢な美少女というのもなかなか良いです。

綾坂璃緒さん

RIO Ayasaka

Rio Ayasakaさんは3点出しでしたが、ナボコフのロリータのイメージのこちらを紹介します。腕に巻かれた赤いリボンは、拘束や束縛をイメージしているのでしょうか。耽美な感じが出ています。

ろまんさん

ろまん

ろまんさんは佐川一政の蜃気楼を選んでいます。食人を骸骨と血でイメージしています。と書いてしまうとストレートな感じがしてしまいますが、彼女の感性で一度咀嚼した後で表現しているのは感じられます。また、題字の入っている装画と原画で全くトーンの違う仕上げをしているのも面白かったです。題字の入っている方は暗めの仕上げで灰色の題字と白っぽい顔がより浮きあがるように配慮されていました。一方で原画では明るく赤めに仕上げており、肌色の美しさが際立っています。

川瀬椿生さん

川瀬椿生

川瀬椿生さんは小川洋子さんのホテル・アイリスです。赤い題字が白をベースとして、スカートなどのワンポイントで赤を配した画の雰囲気によくマッチしています。

むらまつちひろ

むらまつちひろ

むらまつちひろさんは京極夏彦さんの死ねばいいのにを取り上げました。画だけ見ていると、首に回した両手の意味がはっきりしませんが、題字が付くと手の意味も、そう言われてみれば生気のない視線にも合点がいきます。

米山 真理子さん

米山 真理子

米山 真理子さんは月曜日に訪問した際に在廊されていて、少しお話をしました。作品は泉鏡花の戯曲である夜叉ヶ池と夏目漱石の夢十夜。どちら紺色をベースとした、現実から遊離したような絵柄が作品の世界を表現していました。

マキエマキさん

マキエマキさんは、画像掲載禁止でしたので、ここで紹介できませんが、相変わらずの昭和エロスを表現していました。選んだ本は宇能鴻一郎の人妻いじめでした。

会期前にそれを聞いた時には、一人だけ浮くんじゃないかと思っていたのですが、今回耽美的な本を選んだ作家さんが多かったため、普通に周りに溶け込んでいました。

マキエさんは月曜日、水曜日共に在廊されていました。

まとめ 

装画を展示している作家さんはいづれも題字が入ることで絵の印象がガラッと変わっているのが面白かったです。

 

過去の展示レポ 

travel-takechan.hatenablog.com 

travel-takechan.hatenablog.com